「ベトナム戦争」「ストーカー」「アトリエ」
2012/08/18
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意味が分かると怖い話3本、どうぞ。「ベトナム戦争」
ベトナム戦争から家に帰る前夜、青年兵士は自宅に電話した。
「明日帰るんだけど、他に行くところがない友達を連れて帰りたいんだ。家で一緒に住んでもいいかな?」
息子の帰還報告に狂喜した両親は、勿論!と泣きながら答えた。
「でも、一つだけ言っておきたいことがあるんだ。彼は地雷を踏んでね、腕と足を失ってしまったんだよ。でも、僕は彼を家に連れて帰りたいんだ。」
その台詞に、両親は押し黙ってしまった。
「数日ならいいけれど、障害者の世話は大変よ。家にいる間に、そのお友達が住める所を一緒に探しましょう。あなたにも私たちにも自分達の人生があるのだから、そのお友達 の世話に一生縛られるなんて無理よ。」
やっとのことで母親がそれだけ言うと、息子は黙って電話を切った。
翌日、警察から電話があり、青年兵士の両親は彼がビルの屋上から飛び降りて死んだことを知らされた。
死体と対面した両親は絶句し、泣き崩れた。
「ストーカー」
今日もまた上司に怒鳴られた。OL仲間の間でもかなり評判が悪いハゲだ。
「私のストーカーの犯人はあのハゲだったりして…。」そんなことを考えつつ帰宅した。
家といっても、たった二部屋しかないボロアパート。 リビング+キッチンと寝室だけ。 窓もリビングにしかない。安いから良いけど。
玄関の鍵を開けて部屋にはいると、びっくりした。リビングにあったタンスが荒らされていた。そういや、朝食を食べに出た時に鍵をかけ忘れて、そのまま出勤したんだ……。
くそっ!窓は全部鍵が掛かってるから、玄関から入られたんだろう。あー気持ち悪い。むかつく。死んで欲しいと思う。
もう今日は疲れた。晩ご飯はいいや。警察には明日届けを出そう…。
私は玄関の鍵が閉まってるのを確認し、寝室に向かった。
「アトリエ」
10年程前の話。
美術の教師をしていた姉がアトリエ用に2DKのボロアパートを借りた。
その部屋で暮らしているわけではなく、絵を描くためだけに借りたアパート。せっかく借りてるのに住まないなんてもったいない!そう思った私は姉に頼み込んでその部屋で1人暮らしをさせてもらうことにした。
1人暮らし初日。わくわくしながらアトリエに帰宅。
くれぐれも戸締りに気をつけるようにと言われていたため帰ってすぐに玄関に鍵とチェーンをかけた。
その後夕飯を作ったり本を読んだりして楽しく1人の時間は過ぎていく。気付くともう夜も更けていたため、もう一度戸締りをチェック、ガスの元栓も締め眠りについた。
しばらくして、多分夜中の2~3時だったと思う。玄関がガチャっと開いた。どうやら姉が絵を描きに来たらしい。こんな時間に頑張るなぁとウトウトしながら思っていると、私が寝ている隣の部屋に入っていった。
隣の部屋は画材やらキャンバスやら置いてある部屋。そこで、姉はブツブツ言ったりクスクス笑ったりしてる。うーん、やっぱり芸術家と怪しい人って紙一重だよなぁ、と思いながらいつの間にか寝てしまった。
朝、目が覚めると姉はもう帰ったようで居なかった。姉の絵に対する情熱は尊敬に値するよなぁ、と思いつつ出掛ける準備をして家を出る。
玄関の鍵を閉めた時に、突然恐怖に襲われた。
それ以来、私がそのアトリエに足を踏み入れることはなかった。
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